温泉旅行では、朝・昼・夜と1日に3回ほど温泉へ入りたいと考える人も多いでしょう。
健康状態に問題がなく、体調を確認しながら適切な入浴時間や水分補給を心がけているのであれば、1日3回の入浴が必ずしも多すぎるとはいえません。
環境省が示している温泉の浴用上の注意でも、温泉療養を始めた最初の数日は1日1〜2回程度とし、慣れてきたら1日2〜3回まで増やしてよいとされています。
そのため、1日3回という回数自体は、公的な目安から大きく外れるものではありません。
ただし、温泉は入浴回数を増やせば増やすほど健康効果が高くなるわけではないため、回数にこだわらず、その日の体調に合わせることが大切です。
温泉に1日3回入ることで期待できること
1日の中で複数回体を温められる
温泉に入ると、温熱作用によって体が温まります。
入浴を朝・昼・夜などに分ければ、1日の中で複数回体を温める機会を作ることができます。
特に寒い季節の温泉旅行では、朝の冷え込みや観光後の冷えを和らげる目的で温泉を利用することもできるでしょう。
ただし、長時間入り続けるほど体に良いわけではありません。
温泉に入ること自体が体への刺激になるため、体調を見ながら無理のない範囲で楽しむことが重要です。
リラックスする時間を作りやすい
温泉に浸かる時間は、日常生活から離れて心身を休める機会になります。
たとえば、朝風呂でゆっくり目を覚ましたり、観光から戻ったあとに温泉で休憩したり、夜に温泉へ入って落ち着いた時間を過ごしたりできます。
1日3回に分けて温泉を楽しめば、それぞれ異なる時間帯で気分転換する機会を持てるのがメリットです。
ただし、「温泉に3回入ればリラックス効果も3倍になる」というわけではありません。
その日の疲労度や体調によっては、1〜2回程度に減らしたほうが快適に過ごせることもあります。
疲労回復や健康増進が期待される
環境省が示す療養泉の一般的適応症には、疲労回復や健康増進などが含まれています。
温泉の作用は、温泉成分だけで決まるわけではありません。
温熱などの物理的な作用に加えて、温泉地の気候や環境、普段とは異なる生活リズム、心理的なリラックスなどが組み合わさった総合作用によるものと考えられています。
したがって、1日3回という入浴回数そのものに特別な健康効果があると考えるのではなく、温泉地でゆっくり過ごすことも含めて楽しむことが大切です。
温泉に1日3回入る場合の適切な入浴時間
最初は3〜10分程度を目安にする
環境省の温泉利用上の注意では、入浴時間について、最初は1回3〜10分程度が目安とされています。
初めて入る温泉や、到着したばかりで体が温泉に慣れていない場合には、短時間から始めるとよいでしょう。
特に高温の温泉では体への負担が大きくなりやすいため、「せっかく温泉に来たから」と無理に長湯する必要はありません。
慣れてきたら15〜20分程度まで延ばせる
温泉に体が慣れてきた場合には、湯温や体調に応じて15〜20分程度まで入浴時間を延ばしてもよいとされています。
ただし、これは必ず15〜20分入らなければならないという意味ではありません。
5〜10分程度で十分に温まったと感じるのであれば、その時点で浴槽から出ても問題ありません。
適切な入浴時間は、湯温や体調、年齢、季節などによって変わるため、自分の感覚を確認しながら調整することが大切です。
1日3回入るなら間隔を空ける
連続して何度も入るのは避ける
1日に3回温泉へ入る場合でも、短時間に連続して何度も入浴するのは避けたほうがよいでしょう。
入浴後には発汗や血圧の変化などが起こるため、体を休ませる時間が必要です。
環境省では、入浴後は30分程度安静にすることが推奨されています。
そのため、浴槽から出てすぐに再び入るのではなく、休憩し、水分を補給してから体調を確認することが重要です。
朝・昼・夜に分ける方法もある
1日3回入りたい場合には、
朝風呂
午後の入浴
夜の入浴
というように、時間帯を分ける方法があります。
温泉旅行であれば、朝起きてから1回、観光から戻ったあとに1回、夕方から夜にもう1回といったスケジュールにすると、連続して入浴することを避けやすくなります。
ただし、3回入ることを目標にする必要はありません。
2回目の入浴後に疲れを感じた場合には、3回目を見送ることも大切です。
入浴前後には水分補給をする
入浴前にコップ1杯程度の水分を取る
温泉では体温が上がり、汗をかくことで体内の水分が失われます。
そのため、入浴前には水分補給をしておくことが重要です。
環境省では、特に起床直後などに入浴する場合、脱水症状を防ぐため、あらかじめコップ1杯程度の水分を補給することが推奨されています。
朝風呂に入る場合には、起きてすぐ浴場へ向かうのではなく、まず水分を取ることを意識するとよいでしょう。
入浴後にも水分を補給する
入浴後も汗によって水分が失われているため、水分補給が必要です。
水などを飲み、体を休めてから次の行動に移るようにしましょう。
1日に3回入る場合には、毎回の入浴前後に水分補給を意識することが大切です。
大量に汗をかいた場合などには、必要に応じて電解質を含む飲料を利用することも選択肢になります。
ただし、通常の入浴で毎回スポーツドリンクなどを飲まなければならないわけではありません。
42℃以上の熱い温泉には注意する
高温浴は体への刺激が強い
熱い温泉が好きな人もいますが、高温のお湯ほど体への刺激は強くなります。
特に42℃以上のお湯では、血圧や心拍数など循環器系への影響が大きくなる可能性があります。
1日に3回入る場合には、毎回無理に熱いお湯へ長時間入るのではなく、自分が心地よいと感じられる温度で入浴することが重要です。
高齢者や循環器疾患がある人は特に注意する
環境省では、高齢者、高血圧症の人、心臓病の人、脳卒中を経験した人について、42℃以上の高温浴を避けるよう示しています。
また、心肺機能が低下している人については、全身浴よりも半身浴や部分浴が望ましい場合があります。
持病がある人や医師から入浴方法について指示を受けている人は、一般的な入浴回数の目安よりも医師の指示を優先してください。
食事の直前・直後は避ける
温泉に入る時間帯にも注意が必要です。
環境省では、食事の直前・直後の入浴を避けるよう示しています。
特に温泉旅館では夕食の直後に温泉へ入りたくなることがありますが、満腹の状態で入浴すると気分が悪くなる可能性があります。
夕食後に3回目の温泉を予定している場合には、食後すぐに入るのではなく、体が落ち着いてから入浴するようにしましょう。
飲酒後の温泉は避ける
お酒を飲んだあとの入浴は危険性が高まる
温泉旅行では夕食時にお酒を飲む人も多いでしょう。
しかし、飲酒後の温泉入浴は避ける必要があります。
環境省でも飲酒後の入浴を避けるよう注意喚起しており、特に酩酊状態での入浴は避けるべきとされています。
お酒を飲むと判断力や平衡感覚が低下するため、浴室内で転倒したり、体調の異変に気づきにくくなったりする可能性があります。
夕食時に飲酒した場合には、「今日3回目だから」と無理に温泉へ入らず、翌朝に回すほうが安全です。
立ちくらみやめまいに注意する
浴槽からはゆっくり立ち上がる
温泉から急に立ち上がると、立ちくらみやめまいが起こることがあります。
入浴中は温熱作用や水圧などの影響を受けているため、浴槽から出るときには循環状態が急激に変化する可能性があります。
そのため、浴槽の縁や手すりなどを利用しながら、ゆっくり立ち上がることが大切です。
めまいが出たら次の入浴を控える
入浴後に、
めまい
立ちくらみ
吐き気
動悸
強い疲労感
などがある場合には、次の入浴を無理に行うべきではありません。
1日3回入る予定だったとしても、体調が悪ければ2回、あるいは1回で切り上げる判断が必要です。
回数を達成することより、安全に温泉を楽しむことを優先しましょう。
「湯あたり」にも注意する
温泉療養を続けたときに体調が変化することがある
温泉療養を始めて数日から1週間程度経過したころに、いわゆる「湯あたり」と呼ばれる体調変化が生じることがあります。
環境省では、温泉療養開始後おおむね3日〜1週間前後に、
気分不快
不眠
消化器症状
皮膚炎
などが現れる場合があるとしています。
こうした症状がある間は、入浴を中止したり、入浴回数を減らしたりして、体調の回復を待つことが必要です。
1日の温泉旅行で必ず起こるものではない
湯あたりは、1日に3回入浴しただけで必ず起こるものではありません。
環境省の注意事項も、基本的には数日以上にわたる温泉療養を想定しています。
そのため、一般的な1泊2日の温泉旅行などで過度に心配する必要はありませんが、入浴を繰り返して体調が悪くなった場合には無理をしないことが重要です。
高齢者が1日3回入る場合は特に注意する
高齢になると、若い人に比べて脱水や血圧変動などの影響を受けやすくなる場合があります。
特に起床直後の朝風呂では、体内の水分が不足している可能性があるため、入浴前の水分補給を忘れないようにしましょう。
また、環境省では、高齢者について42℃以上の高温浴を避けることや、できれば1人で入浴しないことなどを推奨しています。
高齢者の場合には、「1日3回までなら問題ない」と回数だけで判断せず、その日の体調や持病などを踏まえて入浴回数を調整することが大切です。
温泉に3回入れば効果も3倍になる?
温泉に1日3回入ったとしても、健康効果が1回入浴したときの3倍になるわけではありません。
温泉の効果は単純に入浴回数だけで決まるものではなく、
泉質
湯温
入浴時間
温熱作用
温泉地の環境
睡眠
休養
心理的なリラックス
など、さまざまな要素が関係しています。
そのため、「温泉はたくさん入ったほうがお得」と考えて回数を増やしすぎるのはおすすめできません。
温泉旅行では、入浴そのものだけでなく、食事や睡眠、散歩なども含めてゆっくり過ごすことが大切です。
温泉に1日3回入る場合のおすすめスケジュール
朝は短めの入浴から始める
朝風呂を楽しむ場合には、起床後すぐに入浴するのではなく、まず水分を取ります。
その後、体調を確認して短めに温泉へ入るとよいでしょう。
朝は睡眠中に水分が失われていることもあるため、特に脱水への注意が必要です。
午後は観光後などに入る
2回目は午後に設定すると、朝風呂から十分に時間を空けやすくなります。
観光や散歩から戻ったあとなどに入浴し、その後は水分を補給して休憩しましょう。
疲労が強い場合には、無理に2回目へ入らず休むことも選択肢です。
夜は飲酒や食事直後を避ける
3回目を夜にする場合には、夕食の直前・直後を避けます。
また、夕食時にお酒を飲んだ場合には、その日の入浴を見送ることが重要です。
3回目にこだわらず、翌朝にもう一度温泉を楽しむという選択肢もあります。
温泉に1日3回入るときに避けたい入り方
温泉を1日に3回楽しむ場合でも、次のような入り方は避けたほうがよいでしょう。
- 3回すべて長時間入浴する
- 熱い湯に無理して入り続ける
- 入浴前後に水分を取らない
- 食事の直前・直後に入る
- 飲酒後に入る
- 強い疲労があるのに無理して入る
- めまいや立ちくらみがあるのに再び入る
- 回数を達成することを目的にする
特に「せっかく温泉に来たから3回入らなければもったいない」と考える必要はありません。
1回や2回でも、心地よく入浴できれば十分に温泉を楽しめます。
まとめ
温泉に1日3回入ることは、健康状態に問題がなく、温泉に体が慣れている人であれば、公的な入浴回数の目安から大きく外れるものではありません。
環境省でも、温泉療養を始めた最初の数日は1日1〜2回程度とし、慣れてきたら1日2〜3回まで増やしてよいとしています。
ただし、3回入れば健康効果が3倍になるわけではありません。
1日に3回入る場合には、最初は1回3〜10分程度から始め、体が慣れてきたら湯温や体調に合わせて15〜20分程度までを目安にします。
さらに、
入浴前後に水分を補給すること
入浴後は30分程度休むこと
食事の直前・直後を避けること
飲酒後には入らないこと
立ちくらみやめまいがあれば入浴を中止すること
などを意識することが大切です。
特に高齢者、高血圧症や心臓病の人、脳卒中を経験した人は、42℃以上の高温浴を避けるなど、より慎重な入浴が求められます。
温泉は「何回入ったか」よりも、体調に合わせて無理なく気持ちよく入ることが重要です。
1日3回を予定していても、疲れを感じた日は1〜2回に減らすなど、柔軟に調整しながら楽しみましょう。
以上、温泉に1日3回入る場合の効果や注意点についてでした。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
